続きです。


服部百音 ヴァイオリン・リサイタル
presented by JAL
2019年11月22日(金) 開演:19時
紀尾井ホール
服部百音(Vn),江口 玲(Pf)


引用:https://avex.jp/classics/mone-kioi2019/

ショーソンの詩曲やラヴェルのツィガーヌなど、長年弾き続けて親しんでいる曲に加え、ずっと好きで弾きたいと思っていたR.シュトラウスのソナタ、シマノフスキのノクターンとタランテラなど初挑戦の曲もあり、私にとっても新鮮で未知の経験となることをとても楽しみにしております。

特に、R.シュトラウスのソナタは、これからの人生で末永く掘り下げていきたい曲です。

全体的に、近代的すぎず美しいメロディーがある曲が多いので、いつものリサイタルのプログラムよりは気楽に聴いて頂けるのではないかという気がしております・・・

自分が二十歳になって初めての、また令和初のリサイタルという意味でも、全身全霊で努めて参りたいと思います。


百音ちゃんも、真央君も、若干20歳や21歳で、紀尾井ホールでコンサート、大したものです。

そのうち、庄司さんや、諏訪内さんや、五嶋さんのように、海外オケの共演が増えて、チケット代金が高くなって・・・
真央君も百音ちゃんも、成長して、遠い存在になっちゃうのかな〜。

嬉しいけれど、仕方がないですよね〜。

百音さんも、上のような文章を書くようになって、しっかりしたお嬢さんだな〜。


カルメン・ファンタジー、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番





19時開演。百音さんがしずしずとステージへ登場。
神尾さんは、ピンヒールのシューズにフリンジドレスで、どうや!っていうオーラを感じたけど、百音ちゃんはまだまだ瑞々しいな〜。
でも、高校生の時よりは、だいぶステージ人となった印象。


1)シマノフスキ:ノクターンとタランテラ



引用:加納伊都ヴァイオリンリサイタル

このシマノフスキ作曲のノクターンは、魂がさすらっているような、不安で妖しい雰囲気の中で始まり、それを打ち破るかのような民族的な旋律、そしで情熱的で華麗なクランテラへと、まるでその人の情熱が実はどれぐらいあるのか、試されているようにも聞こえます。


引用:五嶋みどりの作品解説

ヴァイオリンがミュートを装着し、神秘的に、魂を奪われたかのように、不安な雰囲気が漂う中、煙が渦巻くように、静かに始まります。すぐにスペイン的なリズムが夢のような静寂を打ち破り、夜にきらめく輝きを与えます。それに続くタランテラでは、歯切れのよいアーティキュレーションやリズムが特徴的です。勢いは止まらず、お祭りの踊りを髣髴させるところがあります。それにもかかわらず、陽気であでやかなムードの中で、優雅さが消えることはありません。


このMidoriの作品解説が、いろいろあってわかりやすくて好きです。


今までは、夏の名残のバラのように、華やかな曲で始まるリサイタルだったのに、これは渋い!尖った曲!かっこいい!

こういう曲を選ぶところが好きです。
オープニングが怪しげな雰囲気、そんな感じも似合うような、年頃になったんだな〜。

ツィガーヌを思わせる、異国情緒というかジプシー風というか、そんな風に始まって、百音さんの演奏に鳥肌が立ちました。凄かったです!
この曲を知ることができて良かったな〜。


服部隆之:真田丸紀行(ヴァイオリン&ピアノ編)





2)R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ



引用:五嶋みどりの作品解説

彼の妻となるソプラノ歌手のパウリーネ・デ・アーナとの恋愛中に、この『ヴァイオリン・ソナタ』は作曲されました。

若いエネルギーと希望に溢れた作品で、後の作品で顕著となる彼独自の音楽言語が既にこの曲の中には感じられ、特に第2楽章では、熱烈な歌のような旋律が後に作曲される彼の歌曲やオペラを彷彿とさせます。

ヴァイオリンとピアノの2つのパートが濃密に書かれ、メロディーラインが交錯する交響的な曲想は、ソナタでありながら、まるで2つの楽器がダブル・コンチェルトを弾いているかのよう



1曲目の、怪しげな魅力漂う曲とはうって変わって、美しい旋律の曲ですね。
百音さんと江口さんのロマン溢れる演奏に、本当にうっとり。
せつない部分には心が震えました。

最近忙しくて、曲の予習があまりできないのですが、上記2曲は初めて聴く曲だし、曲も良いので、本当に楽しみにしていましたね〜。

前半2曲終わって、休憩に入りました。

もう、美しい演奏に胸がいっぱいで、
「本当に来られて良かった〜、ほんとうに素晴らしい時間だ!♪」と前半の余韻に浸っていました。

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3)シマノフスキ:アレトゥーザの泉




N響ほっとコンサートで百音さんを知り、カルメンファンタジーに驚愕したわけですが、このコンクールのシマノフスキも、まだ16歳です!

なんと、ほっとコンサートの動画が最近upされていました!
私の動画もその人にパクられまくっていますが、許しますw




上のコンクールの時の演奏も十分に素晴らしいのですが、20歳になった百音さんの演奏は更に磨きがかかって、叙情豊か。
水の精アレトゥーザの艶めかしい魅力とか、神話の物語の世界(リンク参照)を描きだしていたような気がします。完璧でしたね。


引用:五嶋みどりの作品解説

水の精アレトゥーザは狩りと森を愛し、男性に心を動かされることはありませんでした。ところが、川の神アルペイオスはそんなアレトゥーザに恋をしてしまったのです。

水浴びをしていたアレトゥーザは思わぬ展開に全速力で逃げますが、彼が近づいてくるのに気づき、女神のアルテミスに助けを求め、アルテミスはアレトゥーザをすばやく泉に変えてやります。

シマノフスキはピアニストに両手を自由自在に交差させて演奏させることで水の流れを表現させ、ヴァイオリニストはそのピアノをバックに、ミステリアスな神話的なメロディーを奏でます。

水が流れる様子はヴァイオリンのトリルや重音の指を変えながらの上行からも想像することができます。テンポはフレキシブルで、そのときの雰囲気に合わせて、伸びたり、速くなったりします。最後は泉の細かい泡が消えて、神秘的に終わります。



17歳の頃に聞いたリサイタルより、当たり前だけれど、音がよく届きました。

3年前のツイ↓







今年のプログラム
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ル・ローヌ(河)〜3 Generation Version〜





4)ショーソン:詩曲



ピアノとヴァイオリンだと、このような感じ。

せつなげな旋律が、百音さんの美しい高音で奏でられて、心がときめきます。
乙女らしさを感じます♪

参考:ロシアの文豪が書いた愛をフランスの作曲家ショーソンが《詩曲》に――苦悶する愛をヴァイオリンで体験する


苦悶する愛、そんな心情が感じられるメロディーですね。原作読んでみたいなぁ。

個人的には、もう少しテンポの速いところや遅いところがあった方が、ドラマティックかな?とも思いました。好みの問題かもしれません。

でも、気にしないでください、この曲の詳細をよく知らない素人が語ることだし、私の集中力が単に途切れただけかもしれません(^^;

後半レポに続く・・・

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